日本酒を飲むときに、「冷酒(れいしゅ)」と書かれている場合と「冷や酒(ひやざけ)」の場合があると思います。
この2種類が別の物だということはご存知でしょうか?
今回はこの「冷酒」と「冷や酒」の差を見ていきましょう。
「冷や酒」の由来
日本酒はざっくりと「冷酒」「冷や酒」「熱燗」の3種類に分かれます。
ここで「冷酒」と「冷や酒」って同じじゃないの?と疑問に思う方も多いと思います。
実は、冷酒と冷や酒は全然違います。
それには、冷や酒の歴史をみればはっきりとわかります。
日本酒の歴史は古くから飲まれていました。
日本では紀元前から親しまれています。
その時代はもちろん文明の利器である冷蔵庫はありません。
日本酒は温めて飲むか、常温で飲むかの2択しかありませんでした。
そこで、温めて飲むものを「燗(かん)」、常温で飲む物を「冷や(ひや)」と呼びました。
つまり、温めていないお酒のことを「冷や」としたわけです。
その後、冷蔵庫が誕生し、日本酒を常温より冷やして飲むようになりました。
「冷や」と対比させ「冷酒」という名前が付けられることになります。
冷酒の種類
それでは、冷酒は冷蔵庫で冷やせば良いということでしょうか?
そう、常温より冷やせばすべて冷酒になります。
しかし、熱燗同様に温度によって「みぞれ酒」「雪冷え」「花冷え」「涼ひえ」と呼び方が変わります。
みぞれ酒 0℃
雪冷え(ゆきひえ) 5℃
花冷え(はなひえ) 10℃
涼冷え(すずひえ) 15℃
冷や 常温
日向燗(ひなたかん) 30℃
人肌燗(ひとはだかん) 35℃
ぬる燗 40℃
上燗(じょうかん) 45℃
熱燗(あつかん) 50℃
飛び切り燗(とびきりかん)55℃
日本酒と温度
日本酒が5℃ごとに呼び方が違うのは、日本酒の味や香りが温度によって全然違うからです。
一般的に、日本酒は温めると香りが飛び、同時に雑味が消えてまろやか味になり、とろみがうまれます。
逆に冷すと香りが高くすっきりとシャープな味になり、さらさらしてます。
どの温度で飲むのが美味しいの?
問題は、どの温度で飲むのが美味しいかというところですよね!
これは、個人の好みです!
まぁ個人の好みでは、記事を書いている意味がありませんね。
そこでどのように熱燗と冷酒を選んでいるかという所ですね。
時季で考える
当たり前ですが、夏は暑く、冬は寒いですね。
気温で選ぶということができます。
夏の暑いときに「冷酒」を飲む。冬の寒いときにこたつで「熱燗」を飲むといった具合ですね。
私は、お花見のときに水筒に「上燗」を入れて持っていくことが多いです。
飲むお酒によって考える
吟醸酒は香りを楽しめる物が多くあります。
このことにより、熱燗にしてしまうと、せっかくの香りが飛んでしまうため、一般的には冷やか冷酒で飲むことをお勧めします。
逆に、本醸造酒は甘味を楽しむ物が多いため、温めるとより甘味が増し口当たりがまろやかになります。
人間は体温に近いほど甘味を感じやすいためです。
つまり、本醸造酒のような甘口・旨口のお酒は温めたほうが美味しく感じます。
醸造酒・甘口のお酒は熱燗
まとめ
いかがでしたでしょうか?
同じ銘柄のお酒でも温度によって様々な香り、味わいになります。
是非、色々試して自分の好みのお酒を見つけてください。
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