酒蔵が一か所に固まるの理由は本当に『水』なのか?

投稿者: | 2018年8月23日

日本酒の酒蔵って灘、伏見、西条等のように一か所に多数の酒蔵が固まっていると思いませんか?

もちろんこれには様々な理由があります。

お米の産地、気候、土地の広さ・・・しかし、一番の共通点は『豊かな水』があることです。

日本酒の80パーセントを占める水、今回は日本酒の水の大切さを見ていきたいと思います。

『豊かな水があるところに酒蔵が集まる』これ本当でしょうか?
水が重要なのはわかります。
アルコール度数が15%なので残りは水のハズですし、美味しい水で作れば美味しいお酒ができるはずです。
今は物流もしっかりしていますし、温度管理や酵母も手に入ります。
水も水道をひねれば出てきます。
酒蔵というよりも工場で生産した方が楽なんじゃないでしょうか?

今回は、なぜ水の豊かなところに酒蔵が集まっている(集まり続けている)かを見ていきたいと思います。

水の重要性

原材料、酵母、造り方、その土地の伝統的な技法、様々な要因が重なり合って日本酒が造られています。

しかし、どのお酒を取っても水が重要視されています。

お米を炊くのにも、仕込みに使うのにも、加水するにも水を使います。

水と共に日本酒は製造されます。

一般にお酒を作る場合、お米の重量の20~30倍の水を使うとされています。

瓶に詰める以外にも水を大量に使う必要があるんです。

目的によって醸造用水と瓶詰め用水の二つに大きく分けることが出来ます。

醸造用水
1.洗米、浸漬用水
精米したお米の汚れを洗い流したり、白米にお米を浸透させる水。
米内部に十分に心酔する必要があり、水中の様々な成分も吸収してしまうために厳しい基準が必要。

2.仕込用水
日本酒そのものになる水。
三~五回に分けて使用され蒸米、麹と共に入れます。
日本酒のベースを決める一番重要なお水です。

3.雑用用水
醸造に使った容器や仕込み器具を洗浄するお水。
不要な成分が残らないように鉄分が少ない水や軟水を使用します。

瓶詰め用水
1.洗瓶用水
瓶詰めの工程でも洗浄用に大量に水を消費します。
洗瓶の最後に用いる洗浄水は、直接製品と接触するので、仕込み同様のお水が必要です。

▽2.割水用水
一般的な日本酒はアルコール度数が高く造られます。
そこで原酒に対してお水を加える(加水)事によって、味わいや風味、度数の調節が行われます。
もちろん直接飲むことになりますので、仕込み水と同様の基準のお水が必要となります。

▽3.雑用用水
醸造用水の雑用用水と同様に瓶詰め工程で使用した器具などの洗浄に使われます。

※酒造りのための水を総称して酒造用水という場合もある

水の安全性

酒造用水として備えるべき条件としては、水道法で定められた水質基準値 ( 別表 ) 内であることはもちろん、さらに第 1 表のような条件が求められている 1 ) 。有機物や清酒の着色の原因となる鉄や、貯蔵着色や日光着色の触媒として働くマンガンなどは水道法よりも厳しく規定されている。
(財)日本醸造協会

特に鉄やマンガン等の基準が厳しく、水道水の基準が 鉄 0.3ppm以下、マンガン0.05ppm以下であるのに対して酒造用水では0.02ppm以下(検出されないのが望ましい)、酒造用水では0.02ppm以下でなければなりません。
引用 水質基準項目(51項目)

鉄が混ざると日本酒に褐色の色がついたり風味が悪くなります。
マンガンは日光による劣化が早くなるためより成分が少ない方が良いとされています。

他の成分についても水道水よりはるかに厳しい基準が設定されています。

安全だけでなく日本酒全体の品質の向上のために厳しい基準が設けられています。

さらに、有害な成分だけでなく、微生物の栄養となるカリウムなどが十分に含まれている事も条件になります。

酒蔵造りに適した処

酒造りの大きな要素は下記の3つです。

良質な原料(お米)が得られること
酒造りに適した気候
豊かで大量の水を得られること

① 良質な原料が得られること
現在は物流もしっかりしており地産地消の時代ではなくなってきました。
しかし、お米を育てる場合良質で大量の水が必要になります。
そのため、新潟や兵庫などを代表とするお米の産地とされている場所は良質のお水が湧き出ているところが多いです。

② 酒造りに適した気候
日本酒は酵母や乳酸菌が生きているため、温度や湿度に非常に敏感です。
しかし、現在では、空調設備の導入等によって全国各地で酒造りができるようになってきています。

③ 良質で大量の水を得られること
最後に良質で大量のお水が必要になります。
大量の水を運搬するには莫大なコストがかかりそれを監理するにも労力がかかります。
そのため、名水の近くに酒蔵が多く集まるといわれています。

新潟の信濃川周辺(魚沼産が有名)や灘の宮水として有名な兵庫県が代表的です。

まとめ

いかがだったでしょうか?
日本酒造りには、あの一本からは想像できないくらいの良質で大量のお水が必要ということがわかりました。
それが名水の近くに酒蔵が集まる理由ですね。
酒蔵が集まる理由はお水でしたね。
それも、水道水やただの湧水ではなく、厳選されている名水です。

是非日本の美味しいお水で造られた日本酒を楽しんで飲んでください。

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