お店で日本酒を注文する場合は店員さんに任せれば大丈夫ですが、
自宅で飲むときは熱燗、冷や、冷酒のどれにするか悩みませんか。
それに日本酒の飲み方を調べると大吟醸や吟醸は熱燗にするともったいないとか、生酒は冷酒にすべしなど色々書かれていると思います。じゃあなぜ、こんなに温度を気にするのかというところですね。
実は、日本酒は温度によって物凄く風味や味が変化します。
例えば吟醸酒は、フルーティで爽やかな風味を楽しむものが多いですが、熱燗にしてしまうとその良さが飛んでしまいます。
このように、その日本酒のタイプによっておススメの温度というものがあるということですね。
今回は、お酒のタイプに合わせて一番おいしいとされる温度を解説していきます。
熱燗に向くお酒
熱燗に向くお酒は、「純米酒」「本醸造酒」が向きます。
それも、大吟醸や吟醸と付いていない「純米酒」です。
熱燗にすると原料となっているお米の香りや味わいが増すため、より素材の味を楽しむことができます。
純米酒は、米、米こうじ、水のみで造られたお酒で醸造アルコールが添加されていない物のことを指します。
米そのものの甘味や風味を楽しむように作られており、燗にすることでその良さが際立ち、より引き出されるものが多くなっています。
上級テクニック
燗冷まし
燗冷ましとは、一度温めたお酒を氷水などで冷し、再び温める飲み方です。
燗冷ましをすると、日本酒特有の甘い香りがフワっと広がり、角が取れたまろやかな味わいになります。
やり方
・氷水に浸す
鍋等で温めた徳利をそのまま氷水に浸して急冷します。
熱がひいたら再び、鍋に入れて好みの温度まで温めて飲みましょう。
・氷や加水する
原酒やにごり酒のように濃度の濃いお酒の場合は冷した水や氷を直接入れても大丈夫です。
これらのお酒は少し(お酒に対して5%程度)くらい水分を加えても美味しくいただける物が多いです。
吟醸酒が熱燗に向かない理由
吟醸酒(吟醸、大吟醸)の様な日本酒は熱燗には向かないとされています。
それは、熱燗にすることで、風味、うまみ等が増す半面アルコールが際立つことがあります。
吟醸酒は純米酒以上にお米の風味やうまみを抽出しているため、このアルコールが際立つことにより、大吟醸の良い部分が隠れてしまいます。
また、大吟醸は爽やかな風味が良さですが、温めることで爽やかさが失われ、どっしりとした味わいに変化してしまいます。
吟醸酒は、豊かな風味を楽しみたいのに熱燗にすることにより、風味が飛んだり隠れたりしてしまうからです。
では、大吟醸等の吟醸酒はどうやって飲むのでしょうか。
それは冷酒です。
冷酒に向くお酒
冷酒とは、7℃~10℃の範囲。冷蔵庫で冷やしたときがこのくらいです。
冷酒にすると日本酒の風味は、フルーティーな香りとキレのある風味を楽しめます。
この温度に適しているものは、「大吟醸」「吟醸酒」「生酒」です。
吟醸酒は、華やかな香りが高く、フルーティなタイプと言われています。
冷すことで非常にキリッとドライに感じ、口の中で風味が広がっていくことを楽しむことができます。
ただし、酒のタイプによっては冷やしすぎると風味が閉じ込められたり味わいをあまり感じにくくなるものがあるため注意が必要です。
薄いと感じたらすこし常温に戻すとよいでしょう。
生酒も冷酒が合います。
このタイプも爽やかでみずみずしい味わいでまろやかさを楽しむことができます。
冷やが合うお酒
冷や(常温)が合うお酒ですが、生酒タイプ以外は冷やで楽しむことができます。
基本的に日本酒は常温で販売されている事が多く、そのまま飲んで楽しむことができます。
是非、冷やと温度を変化させたものを飲み比べることも日本酒の楽しみ方です。
まとめ
一般的に日本酒のおススメ温度は次の通りです。
純米タイプ 冷や~熱燗
もちろん好みは人それぞれです。
一本のお酒を、温度を変えて飲み比べてみることも日本酒の楽しみ方です。
是非、自分の好み傾向を知って日本酒ライフを楽しみましょう。
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