「飲酒後はサウナや熱い風呂に入って汗でアルコールを流すんだ」
「お風呂に浸かると二日酔いにならない」
このようなこと聞いた事ありませんか?
まことしやかに語られている情報ですよね。
私も20代前半の頃は終電を逃すまで飲んで、カプセルホテルのお風呂とサウナでよく汗を流しました。
しかし、これは間違った常識です。
たしかに息、汗、尿からもアルコールは排出されます。
体内に入ったアルコールの90%は肝臓で無毒化されるため、汗で代謝される分はほんの数%しかありません。
飲酒直後の入浴は酔いを増す効果があり、さらに心臓にも負担がかかり命の危険がある危険な行為です。
今回はお酒と入浴の関係を見ていきましょう。
まずは、お風呂に浸かることによって体にどのような効果があるかです。
入浴の効果
一般的にお風呂に浸かることは体の副交感神経を刺激してリラックスしたり、汗をだしてデトックスできる等の効果があります。
温泉療法専門医の早坂さんによると、湯船につかると健康面で非常に良いと発表しています。
湯船に入ることによる効果は主に3つあり、①温熱作用、②水圧、③浮力です。
1つめは温熱作用、つまり体を温めることで、血管が広がり全身の血のめぐりがよくなります。血流は人間の体にとって非常に重要なライフライン。全身をめぐる血液が細胞1つ1つを活性化することで新陳代謝が活発になり、疲労回復にもつながります。
2つめの水圧は体を締め付ける効果のことで、湯船につかると特に下半身に圧力がかかり、静脈血(全身に酸素を送ったあとの二酸化炭素を含んだ血液)が心臓にもどっていくのを助けます。
3つめ~(以下省略)
毎日のお風呂が健康を作る【早坂信哉】
毎日のお風呂に浸かることによって、温熱と圧力で体全体の血のめぐりがよくなり、新陳代謝や疲労回復に非常に効果的。
このとき、血のめぐりが良くなったときにアルコールや悪酔い成分のアセトアルデヒドが血液あった場合はどうでしょうか?
次は、飲酒直後と二日酔いの時のお風呂について体の中でどのような作用が起きているのか見てみましょう。
飲酒直後の入浴で酔いが増す
アルコールを吸収している段階で入浴すると血行が良くなり全身に酔いが回ります。血管が広くなることによって血圧も下がります。
さらに、飲酒時に顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドという物質が血液中に増え血管を広げ、血圧の低下、脈拍も増加する傾向があります。
入浴と飲酒の両方で血圧の低下します。
二日酔いになるかどうかはこのアセトアルデヒドの分解能力の違いにあります。
次の日にお酒が残らない人はアセトアルデヒドの分解能力が高く、生まれ持ったもの。
原因は遺伝子によって決まっていて地域の差が非常に出やすいです。
詳しくはお酒に強い都道府県はどこ?強い弱いの原因は遺伝子に!
あなたはアルコールに強い弱い?アルコール分解能力を調べる方法を見てください。
飲酒直後の入浴は、血圧が下がり過ぎ酔いを醒ますどころか酔いがひどくなります。
また、汗をかくことにより血中の水分が少なくなり酔いが酷くなり脱水症状に陥る可能性もあります。
肝臓はアルコールを分解するために大量の水が必要です。
水分が足りなくなるとアセトアルデヒドを分解できず二日酔いの原因に。
お酒を飲むと血中に二日酔いの原因となるアセトアルデヒドが増加し、血管が広がり、血圧が低下します。
入浴によって体が温まり血管が広がり、血圧が低下。
この飲酒と入浴の相乗効果によって、急激な血圧低下がおき、めまいや意識が飛んでしまうこともあり非常に危険です。
飲酒後はできるだけ入浴を避け、どうしてもという場合はシャワーにする。
二日酔いのときに入浴するとどうなのか
二日酔いの時の入浴は悪酔い成分が抜けて早く良くなるのでしょうか?
汗を流して代謝を活発にし、肝臓の働きを良くして二日酔い成分を早く撃退する可能性があります。
(汗から出ていくわけではありません)
しかし、二日酔いの時の入浴には注意する点があります。
その理由は、体が乾いてるから。
体に入ったアルコールを肝臓が分解する為に大量の水分が使われます。
さらに、お酒には利尿作用があり、ビールを1000mℓ飲んだときに、飲んだ量よりも多い1100mℓの尿が出たという試験もあります。
寝ている間にコップ一杯分の汗をかくといわれていますね。
大量にお酒を飲んだ翌朝は体の水分がからっからになってます。
そんな中、お風呂で汗を流すと脱水症状になり、余計に気分が悪くなります。
水分が少なくなると肝臓の分解能力も阻害され悪循環に陥ります。
また、熱いお湯につかると急激に血行が良くなり吐き気やめまいなどが起きる危険もあります。
もし、二日酔いでお風呂に入りたいなら、水やスポーツドリンク、経口保水液で十分に水分を補給してから入浴しましょう。
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